11月10日(月) 10:30-11:10
バイオインスパイアードDDSの設計とワクチン応用
Design of Bio-Inspired DDS and Vaccine Applications

京都大学
大学院医学研究科 特任教授
秋吉 一成 氏
Dr. Kazunari Akiyoshi
Specially Appointed Professor, Professor Emeritus
Graduate School of Medicine, Kyoto University
CV
1985年,九州大学大学院工学研究科博士課程修了,博士(工学)(九州大学),その後 米国Purdue大学博士研究員,1987年,長崎大学講師,1989年から京都大学助教・助教授を経て,2002年,東京医科歯科大学生体材料工学研究所教授。その間,フランス,ルイ・パスツール大学客員助教授(1997),JST-さきがけ研究21研究員(1999~2011),東京工業大学精密工学研究所客員教授を兼任(2005~2007)。2010年,京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻教授。また,その間,JST ERATO「秋吉バイオナノトランスポーター」プロジェクト研究総括(2011~2018),ノルウェー科学技術大学(NTNU)客員教授兼務(2017~2018)。2023年より同大学院医学研究科特任教授/京都大学名誉教授。2025年よりJST CREST 「超生体組織」研究総括。
講演概要
近年,疾患に関する診断,予防,治療,および再生医療において,ナノバイオ材料の開発が益々重要となってきた。特に,バイオ医薬品の有効性が明らかになり,それらを安定に送達,徐放しえるDDSの開発が望まれている。我々は,生体分子システムを規範(バイオインスパイアード)としたナノゲル工学,プロテオリポソーム工学,エクソソーム工学を駆使して,種々のバイオ医薬品の徐放制御や選択的輸送を行える機能性ナノ微粒子の創製とワクチンなどの医療応用に関する研究を行っている。
11月11日(火) 8:30- 9:10
医学検査領域のマイクロ計測の応用
MEMS Applications for medical testing

株式会社 日立ハイテク
常務執行役員 CTO ヘルスケア事業統括本部 統括本部長
坂詰 卓 氏
Mr. Taku Sakazume
CTO
Head of Healthcare Business Group
Hitachi High-Tech Corporation
CV
1992 東京大学理学部生物学科卒(学部)
1992 日立製作所計測器事業部入社
1999 米国ペンシルバニア大学医学系研究領域客員研究員
2014 株式会社日立ハイテク医用システム第二設計部(高感度免疫分析装置)
2019 株式会社日立ハイテク医用システム製品本部長
現在、常務執行役員 CTO, ヘルスケア事業統括本部本部長
講演概要
医学領域では,電解質イオン,血糖,ホルモンなどの化学物質濃度の計測技術が大きく進展し,診断やモニタリングの精度向上に寄与してきた。MEMS(微小電気機械システム)は本領域の未来の技術として多くの研究がおこなわれている。この研究の成果は,従来機器の性能改良や機能向上に貢献してきた。特にDNA分析の分野では飛躍的な進歩を遂げている。また,半導体製造技術の発展により,微細化や高集積化が進み,低消費電力化や軽量化が可能となったことで,ウェアラブル機器の実用化が実現された。これらの機器は,医学的知識の進展と相まって,検体取得時の情報を精密に計測できる手段を提供し,連続的かつリアルタイムでの生体データの取得を可能にしている。これらの技術的基盤を背景に,今後の医療分野におけるMEMS技術のさらなる応用と発展が強く期待されている。
11月11日(火) 15:50-16:30
ソフトウェアデファインド時代における,運転支援・自動運転とセンシング技術
Automated driving / Advanced driving assist and Sensing Technologies in the software-defined generation

本田技研工業株式会社
四輪事業本部
SDV事業開発統括部
先進安全・知能化ソリューション開発部
エグゼクティブチーフエンジニア
波多野 邦道 氏
CV
本田技研工業株式会社のSDV事業開発統括部のエグゼクティブチーフエンジニアとして,AD/ADAS分野の技術を統括し,最先端要素技術の評価を担当するとともに,技術渉外責任者としてホンダの技術プレゼンス向上に取り組む。
1990年,株式会社本田技術研究所に入社
2009年から電動サーボブレーキシステムの実用化を主導。
2015年 「電動サーボブレーキシステムの開発」にて第65回自動車技術学会技術開発賞 受賞
2013年より自動運転の研究開発を主導
2020年11月,世界初のレベル3自動運転システムの型式承認を取得
2020年12月より日本自動車技術会自動運転安全設計手法分科会分科会長2021年4月より日本自動車工業会自動運転部会長も務める
2023年 ISO TS 23792 Motorway Chauffeur System Part 1(MCS-1)の発行のプロジェクトリーダー
2024年 経済産業省 産業標準化事業表彰 イノベーション・環境局長賞 受賞
講演概要
自動車産業を取り巻くデジタル技術の進展に伴うデジタルトランスフォーメーション(DX)の潮流は,ソフトウェアデファインドビークル(SDV)という形でモビリティとソフトウェアの領域に急速な変化をもたらしている。この様な背景のもと高度運転支援や自動運転,そしてセンシング技術に関するホンダの取組みを紹介する。
11月12日(水) 9:20-10:00
チップレット集積技術フロンティア
The Forefront of Chiplet Integration Technology

東北大学
大学院医工学研究科・教授
兼 技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)
3Dパッケージング技術開発部門 部門長
福島 誉史 氏
Prof. Takafumi Fukushima
Professor, Graduate School of Biomedical Engineering
Tohoku University
CV
2003年3月 横浜国立大学工学研究科 博士後期課程 物質工学専攻 修了.
2003年4月以降 東北大学 大学院工学研究科 バイオロボティクス専攻, 機械機能創成専攻でポスドク, 助手, 助教, 准教授を経て, 2025年4月から現職の東北大学 大学院医工学研究科 医工学専攻 教授に至る.
2017年4月から東北大学 未来科学技術共同研究センター(NICHeニッチェ)でPI, 2016年以降 米国UCLAのCHIPS(チップスCenter for Heterogeneous Integration and Performance Scaling)でAffiliated Visiting Faculty、2023年7月から熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構 クロスアポイントメント教授、2025年3月から技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC) 3Dパッケージング技術開発部門 部門長など 兼任
講演概要
先端半導体パッケージング技術は、ウエハレベルパッケージングの発展とともに進化し, ダイシングされた良品チップをウエハ上に実装して集積化するChip-to-Wafer積層技術を基軸としてチップレット集積を牽引してきた。ここではこれらのキーテクノロジーとなっているTSV形成やハイブリッド接合などの狭ピッチ接合を中心とした三次元集積技術の歴史的研究開発背景から最新の動向や展望を解説する。