2023年応募作品

研究分野の異なる研究者や,MEMS,微細加工等を知らない一般の方が興味を持ちそうな写真を募集し,作品を掲示,表彰することで,研究分野の異なる研究者間交流や,一般の方への広報活動の一環としてフォトコンテストを開催してきました。ミリ部門・マイクロ部門・ナノ部門のスケールごとの3部門,高校生部門,企業スポンサー部門,ロゴデザイン部門に全37作品のご応募を頂きました。会期中,応募作品と作品の概要を会場の入口付近に展示致します。アートの様な写真が撮影されるまでの工程や原理を理解することで,作品をもっと興味深く閲覧できるのではないでしょうか。

表彰式
11月7日(19:00-21:00 懇親会および,
11月8日(水)17:25-18:05 FT閉会式・表彰式にて

ナノ部門

NM1 枕でお昼ねまんぼう(?)
NM1 枕でお昼ねまんぼう(?)
安井 学(神奈川県立産業技術総合研究所)
FE-SEMでパターニングしたシリコン含有樹脂を観察していたところ, 枕でお昼ねしているまんぼう(?)を見つけました。家族からは可愛いねと言われてます。
NM2 岩山を描いた水墨画
NM2 岩山を描いた水墨画
寺嶋 真伍(早稲田大学)
クロスセクションポリッシャーでエッチングしたSiの縁部分をSEMで撮影したものです.岩山を描いた水墨画のように見えてしまいます.
NM3 MEMS阿蘇山
 優秀賞  NM3 MEMS阿蘇山
村上 歩, 永友 康貴(MMIセミコンダクター)
音を電気信号に変換するセンサ MEMSマイクロホンの一部(ストッパ)が,雄大な阿蘇山のように見えました。よく目を凝らすと,山頂にカルデラ湖があるのがおわかりいただけるでしょうか。
NM4 石垣に架かる橋
NM4 石垣に架かる橋
荒川貴博*,毛塚博史*,真下茂**(*東京工科大学, **熊本大学)
Bi系酸化物超伝導体の結晶粒を衝撃圧縮法により生成したところ,結晶粒間に偶然現れたナノブリッジです。加藤清正公の熊本城の石垣には敵いませんが,石垣のような結晶粒の間に見事なナノブリッジが架かりました。

マイクロ部門

UM1 シリコンに咲いた失敗の花
UM1 シリコンに咲いた失敗の花
金田 裕喜(電気通信大学)
アモルファスシリコン上の酸化物を除去しようとフッ酸を用いたが,想定外の傷が生じてしまいました。
UM2 実験室で見た中秋の名月
UM2 実験室で見た中秋の名月
小牟田 波丸,指導教員:松永 忠雄(鳥取大学)
センサ作製の際に光ファイバ同士の衝突でできた傷を観察した時の写真です。普段困らされているファイバ断面の傷も,見方を変えれば綺麗だなと思い投稿しました。この写真が撮れた日は中秋の名月だったため,実物もしっかり見ました。
UM3 剣山と絶壁の地獄
 優秀賞  UM3 剣山と絶壁の地獄
寺嶋 真伍(早稲田大学)
フェムト秒レーザーで溝を入れたSiをエッチングしSEMで撮影したものです.レーザー加工の段階で集塵を忘れたので切粉がレジストの役割を果たしナノ剣山を作り出しました.
UM4 秘密結社の眼のマーク(シリコン製)
UM4 秘密結社の眼のマーク(シリコン製)
峯田 貴,齋藤 凉,天野 晏年(山形大学)
めっき膜の応力に耐え切れずシリコン基板表面が破砕して,めっきが剥がれた・・・窓(500µm角)の奥からは,ジっとこちらを覗く秘密結社の眼が!! 顕微鏡下でビックリのご対面。
UM5 超微細・なめこ栽培
 最優秀賞  UM5 超微細・なめこ栽培
峯田 貴,丸山 顕(山形大学)
銅の光沢めっき成膜をしていたはずなのに・・・何をどこでどう間違えたのか,超微細なめこが大豊作!(なめこ表面はツルッとしているけど,ここだけ光沢があってもねえ・・)
UM6 丘の上のくまモン
UM6 丘の上のくまモン
萩庭歩美(京都大学)
がんスフェロイド(赤色)と血管内皮細胞(緑)の共培養系に色素(青)を導入後のスフェロイド凍結切片画像です。熊が丘の上から見下ろしているような形に見えたので熊本を見守るくまモンになぞらえました。
UM7 桂林山水甲天下
UM7 桂林山水甲天下
陳 煜非,鈴木 孝明(群馬大学)
リソグラフィで作製した微小アレイ構造は失敗でしたが,奥に桂林の山々,手前に漓江の川面,さらに,流れにのる白い船(不純物)を発見!人民元・20元札に描かれている山水画の絶景が基板上に広がっていました。
UM8 阿蘇で遊ぶキツネ
UM8 阿蘇で遊ぶキツネ
鈴木 和哉*, 田畑 美幸** ,荒川 貴博*(*東京工科大学 **東京農工大学)
盛大に実験に失敗したデバイスを観察したところ,可愛いキツネがいました。失敗してよかったです。ちなみに,阿蘇にもキツネがいます。
UM9 マイクロカルデラ
UM9 マイクロカルデラ
鈴木 和哉*, 田畑 美幸** ,荒川 貴博*(*東京工科大学 **東京農工大学)
デバイスのはんだ部分を観察したところ,阿蘇の美しい自然が広がっていました。
UM10 シリコン山
UM1 シリコン山
永友 康貴(MMIセミコンダクター)
メンブレン剥離後のキャビティ底面の写真です。エッチングが思い通りに進まず山脈状に大きくシリコンが残りなくすために悪戦苦闘!MEMS開発の山は険しいです。(試行錯誤を経て最終的には無事になくせました。)
UM11 純愛
UM1 純愛
小岩 大悟(東北大学)
フォトリソグラフィーにおいて,レジストを塗布して現像する際にゴミが入り偶然ハートの形になって撮影された
UM12 初めてのリフトオフ
UM1 初めてのリフトオフ
小岩 大悟(東北大学)
初めてリフトオフでサンプルを作製し完成した時の写真。鍼灸針上へ微細加工を施し光導波路壁面部に導光用窓を作成することに成功した。
UM13 火山灰に覆われた銀の鎧
UM1 火山灰に覆われた銀の鎧
佐藤 瑞基(東京工科大学)
あまり上手くできなかった銀ペーストを用いて作製した電極の外観をSEMで撮影した際の写真です。左側が盾,右側が兜のように見え,上手く塗布できなかった銀が火山灰のように見えます。

ミリ部門

MM1 なつのおわりのおもいで
 現地投票最多得票賞  MM1 なつのおわりのおもいで
中原 行健(慶應義塾大学)
IEEE MEMSの締め切りを控え,昆虫の足裏反力の計測のためにキャンパスを駆け回って捕まえたショウリョウバッタが,製作したデバイスから飛び立つ瞬間です.
MM2 キリガミ・ミラー
MM2 キリガミ・ミラー
中村 凪(早稲田大学)
ポリイミド銅基板で作られた切り紙構造を上から覗いてみた景色です.どのような構造で,どこがどうやって反射して写真のように見えているかわかりますか?
MM3 豪雨
MM3 豪雨
中村 凪(早稲田大学)
切り紙構造を3Dスキャナで形状測定しているときの光景です.しましまの光の雨と影のコントラストがお気に入りです.
MM4 上空から見た赤富士
MM4 上空から見た赤富士
水名 京(早稲田大学)
レーザ加工でポリイミド銅に製作した同心円状の切り紙構造を変形させたものです.色味も相まって,まるで朝日に染められて赤くなった富士山のよう.
MM5 金細工の貝殻
MM5 金細工の貝殻
水名 京(早稲田大学)
レーザ加工でポリイミド銅に製作した同心円状の切り紙構造の中央を鉛直方向下向きに変形させたものです.きらきらと輝く二枚貝の貝殻のように見えます
MM6 大波状に変形した力学的メタマテリアル
 最優秀賞  MM6 大波状に変形した力学的メタマテリアル
中川 大輔,花崎 逸雄(東京農工大学)
セルロースナノファイバー製の力学的メタマテリアルが示す,ガウス曲率がゼロでない変形の様子.曲げに柔軟ながら伸縮に乏しい透明な紙から,キリガミ構造により富嶽三十六景の大波のような曲面を生み出している.
MM7 ヒトiPS細胞で目玉焼きを作ってみた
 優秀賞  MM7 ヒトiPS細胞で目玉焼きを作ってみた
浅場智貴(横浜国立大学)
目玉焼きはザルに卵を割り白身の水分を濾してあげるときれいにできるそうですが,ここでは,iPS細胞から2ヶ月間愛情たっぷり育てたヒト脳(赤色)と血管(緑色)が美しく絡み合うプリっとした目玉焼きができました。
MM8 熊本市の方角から眺めた宇土半島
MM8 熊本市の方角から眺めた宇土半島
陳 煜非,鈴木 孝明(群馬大学)
熊本出張を楽しみにしながらSEM観察をしていたら,PDMS製の微小再帰性反射アレイは崩れてしまっていましたが,躍動感を持つ微小アレイの波からなる有明海と八代海を分断する宇土半島を発見しました!
MM9 手の上に浮かぶ熊本城
MM9 手の上に浮かぶ熊本城
羽田 祥真,小林 愛佳,笠原 崇史(法政大学)
自作のフォトマスクと2023年に当研究室で開発した発光性溶液を用いて,熊本城の形に発光するデバイスを作製しました。築城の名手・加藤清正公に負けない,目映さのある熊本城を手の上で再現しました!
MM10 過ぎたるは及ばざるが如し
MM10 過ぎたるは及ばざるが如し
小岩 大悟(東北大学)
レジストをディップコートにより限界まで厚く成膜した結果,ポストベイク中に膨れ上がり琥珀が割れたような見た目になった。

高校生部門

HS1 ビスマスの階段
 特別賞  HS1 ビスマスの階段
鞠子 禅,指導教員:佐藤 龍平(東京都立科学技術高等学校)
ビスマスのチップをニッパで折って,欠けた結晶を電子顕微鏡で観察しました。ビスマスの結晶も美しいけれど,ミクロの視点で見るのもまた美しいです。

ロゴデザイン部門

RG-1
神田 健介(兵庫県立大学)
RG-2
鈴木孝明 (群馬大学)
RG-3
内貴 崇(ローム株式会社)
RG-4
寺嶋 真伍(早稲田大学)
 優秀賞  RG-5
峯田 貴(山形大学)
RG-6
飯谷 健太(東京医科歯科大学)
 最優秀賞   現地投票最多得票賞  RG-7
岩瀬 英治(早稲田大学)