Future Technologies (FT)
合同招待セッション

Future Technologies from KUMAMOTOを構成する各シンポジウムが推薦する講師による,FT合同招待セッションです。

11月8日() 15:30-16:45

生体・環境情報モニタリングのための完全分解型ワイヤレスセンサ
Dr. Hiroaki Onoe

慶應義塾大学
機械工学科 教授
尾上 弘晃氏

プロフィール
2006年3月,東京大学大学院情報理工学系研究科にてマイクロマシンの自己組織化の研究にて博士号取得.2005~2009年,日本学術振興会特別研究員(DC2-PD)の間,カリフォルニア大学バークレー校化学科に客員研究員として細胞アレイの研究従事.帰国後,2009~2014年,東京大学生産技術研究所助教.2010~2014年,JST ERATO竹内バイオ融合プロジェクトグループリーダーとして細胞ファイバ技術を開発.2014年より,慶應義塾大学理工学部機械工学科に着任.2016年より株式会社セルファイバ取締役.
Abstract
本講演では、生体情報や土壌環境のモニタリングのための完全分解型ワイヤレスマイクロセンサの最新の研究について紹介する。本デバイスの特徴は,システムとして稼働するために必要は全ての要素が安全で無害の分解性材料のみで構成されており,無線通信のために電磁メタマテリアルの要素の一つであるスプリットリング共振器が組み込まれている点である。今回は生体内の腸内細菌および土壌のpHの計測システムについて紹介する。

分子イメージング手法を用いた熱流体可視化手法の研究
Dr. Yu Matsuda

早稲田大学
理工学術院 教授
松田 佑氏

プロフィール
2008年3月 名古屋大学大学院工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻博士後期課程修了,博士(工学)
2008年4月 名古屋大学大学院工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻 助教
2014年12月 名古屋大学エコトピア科学研究所 准教授(2015年より未来材料・システム研究所 准教授 改組による)
2018年4月 早稲田大学理工学術院創造理工学部総合機械工学科 准教授
2022年4月 早稲田大学理工学術院創造理工学部総合機械工学科 教授
2017年4月 文部科学大臣表彰若手研究者賞など受賞
Abstract
複雑な様相を呈する熱流体現象を高空間分解能に計測することは,対象とする現象の詳細な理解のために極めて重要である。熱流体現象の計測には,半導体センサなどによる点計測が多く行われてきた。これらの手法では,流動場を高空間分解能に計測することが難しく,またセンササイズのために微小な熱流動場の計測は困難であった。これらの問題点を解決する方法として,光機能性分子を用いた計測が注目を集めている。本講演では著者らの取り組みについて講演する。

電気化学をベースにしたバイオ分析とバイオファブリケーション
Dr. Kosuke Ino

東北大学
大学院工学研究科 准教授
伊野 浩介氏

プロフィール
2008年 名古屋大学 工学研究科 化学・生物工学専攻 短縮卒業 博士(工学)
2008年 東北大学 助教
2017年 東北大学 准教授
Abstract
再生医療や創薬開発における培養細胞を評価する手法として,低侵襲的なリアルタイム観察法が期待されている。本研究では,そのような特徴を有する電気化学をベースにしたバイオ計測法・デバイスを開発した。また,それらのデバイスを用いた電気化学バイオファブリケーション技術を開発した。電極を反応場とする界面制御の優れた特徴を利用することで,通常のバイオ合成では得られない形状や特性のバイオ材料が期待できる。

電荷増倍機能を有する結晶セレン積層型8K撮像デバイスの研究
Dr. Shigeyuki Imura

NHK放送技術研究所
新機能デバイス研究部
為村 成亨氏

共著者
新井 俊希{1},宮川 和典{1},杉山 睦{2},難波 正和{1}
{1}NHK放送技術研究所,{2}東京理科大学

プロフィール
2005年,東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻修士課程 修了
2021年,東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程 修了,博士(工学)
2005年,NHK入局
NHK広島放送局を経て,2011年より,NHK放送技術研究所 新機能デバイス研究部において,高感度撮像デバイスや曲面型撮像デバイスの研究に従事
Abstract
撮像デバイスでは,画素の微細化による1画素あたりの入射光量の減少に伴う感度低下が課題であった。我々は結晶セレン膜を回路上に積層した高感度撮像デバイスの開発を目指している。これまで暗電流増加の要因であった高電界時の外部電極からの電子注入に対して,酸化ニッケルを電子ブロッキング層として導入した8K撮像デバイスを作製し,増倍時の暗電流が1/30以下に低減し,明瞭な増倍画像を得たことを報告する。