基調講演

10月30日(火) 10:10-10:50

Dr. Yoshihiro Kawahara

30am2-T-1
スペキュラティブエンジニアリング - 技術と未来洞察 -

東京大学大学院
情報理工学系研究科 准教授
川原 圭博氏

<Abstract>
新技術が生まれてからそれが普及するまでの期間が非常に短くなっている昨今,未来のために何を研究開発するべきかを予測することが極めて難しくなっている.
スペキュラティブデザインとは,未来を予測するのではなく「未来について考えさせる(思索=speculate)ことでより良い世界にする」デザイン手法の一つである.
JST ERATO
川原万有情報網プロジェクトでは,工学,科学,デザイン・アートの専門家が集結し,マテリアル,デバイス,ソフトウェアから社会実装までを一気通貫でデザインする研究開発を行なっている.
本講演では,ソフトロボット,無線給電,デジタルファブリケーションといった,要素技術のイノベーションにより可能になる「ありうるかもしれない」未来を想起させる研究開発の成果の一端を紹介する.

<CV>
2000年東京大学工学部電子情報工学科卒業.
2002年に大学院工学系研究科修士課程,
2005年に大学院情報理工学系研究科博士課程修了.博士(情報理工学).
2005年大学院情報理工学系研究助手.助教を経て,2010年同講師,2013年同准教授.
2011-2013年ジョージア工科大学客員研究員およびMIT Media Lab客員教員を兼任.
2014年 AgIC株式会社技術アドバイザー.
2014年 JST さきがけ研究員
2015年 株式会社SenSprout 技術アドバイザー
2015年 JST Erato 研究総括

10月30日(火) 13:30-14:10

Prof. Yoshinobu Baba

30pm1-T-1
ナノバイオデバイスとAIが拓くSociety 5.0・健康長寿社会

名古屋大学大学院
工学研究科 教授
馬場 嘉信氏

<Abstract>

<CV>
1981年03月 九州大学 理学部 化学科 卒業
1983年03月 九州大学大学院 理学研究科 化学専攻 修士課程 修了
1986年03月 九州大学大学院 理学研究科 化学専攻 博士課程 修了
日本学術振興会 特別研究員 , 1986年04月 ~ 1986年05月
大分大学教育学部 助手 , 1986年06月 ~ 1988年03月
大分大学教育学部 講師 , 1988年04月 ~ 1990年03月
神戸女子薬科大学薬学部 講師 , 1990年04月 ~ 1996年03月
神戸薬科大学薬学部 助教授 , 1996年04月 ~ 1997年03月
名古屋大学 予防早期医療創成センター , 教授 , 2006年08月 ~
名古屋大学 , プラズマナノ工学研究センター 教授 , 2006年10月 ~
名古屋大学 , 総長補佐(産学官連携担当・研究推進担当) , 2008年04月 ~ 2012年03月
名古屋大学 革新ナノバイオデバイス研究センター , 所長(センター長) , 2010年12月 ~ 2015年03月
名古屋大学 シンクロトロン光研究センター , 副センター長 , 2011年08月 ~ 2012年03月

10月31日(水) 9:20-10:00

Prof. Naoki Shikazono

31am1-T-1
固体酸化物形燃料電池(SOFC)の課題と展望

東京大学
生産技術研究所 エネルギー工学連携研究センター 教授
鹿園 直毅氏

<Abstract>

<CV>
1994年    東京大学 大学院工学系研究科 博士課程修了,博士(工学)
1994-2001年 (株)日立製作所 機械研究所
2001-2002年 (株)日立製作所 研究開発本部
2002-2006年 東京大学 大学院工学系研究科 助教授
2007年    東京大学 大学院工学系研究科 准教授
2010年    東京大学 生産技術研究所 教授

10月31日(水) 17:00-17:40 (一般公開)

Dr. Masayo Soma

31pm4-T-1
鳥の求愛コミュニケーション:現在までの知見と展望

北海道大学
理学部 准教授
相馬 雅代氏

<Abstract>
動物の示す多様なコミュニケーションのあり方は,人間の社会行動の根ざす認知機能がどう進化してきたかを理解する上でも重要である.歌鳥(鳴禽類)は,歌とダンスから成る求愛ディスプレイを呈することで知られ,その特徴にはヒトの音楽とも共通点が多くみられる.これらの興味深い行動特性に関して紹介することで,なぜ複雑なコミュニケーション行動が進化したのか考えたい.

<CV>
2007年 東京大学総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系博士課程終了(学術博士). 学術振興会特別研究員(総合研究大学院大学葉山高等研究センター),理研脳科学研究センター客員研究院,東京女子大学客員講師,立教大学客員講師などを経て,2010年より北海道大学理学研究院生物科学部門にて准教授. カエデチョウ科鳥類を主な対象に,行動生態・進化生物・比較認知の研究に従事.2011年 日本鳥学会黒田賞,2015年 文部科学大臣表彰若手科学者賞,2016年 資生堂女性研究者サイエンスグラント受賞.

11月1日(木) 9:20-10:00

Prof. Tomoki Shiotani

01am1-T-1
インフラの効率的維持管理に向けた振動センシングアプローチ

京都大学大学院
工学研究科社会基盤工学専攻 特定教授
塩谷 智基氏

<Abstract>
高度成長期に集中的に建設されたインフラの老朽化が社会的問題となり,一部で人命を失う大規模な事故が生じ始めている. 現在,莫大な数のインフラが既に重度劣化の状態となっていることから,まずマクロ的な劣化を定量的に調査診断する手法が必要とされている. そこで,講演ではマクロ的な劣化評価を与える離散的な時間間隔での弾性波動アプローチと将来必ず必要となる予防保全を前提とした連続的ミクロ劣化評価アプローチを系統的に説明する.

<CV>
徳島大学大学院修了,熊本大学学術博士,民間建設会社技術研究所,デルフト工科大学シニアリサーチフェローを経て,2007年より京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻准教授,2010年より京都大学経営管理研究部准教授併任,2014年より現職.インフラの損傷や劣化を弾性波,光などを用いた先端的NDTによる評価技術の研究が主.これまで米国AEWG会議長,JSNDIAE部門主査などを務め,現在,RILEM TC269-IAM(仏),JCI TC163A委員長.英国SFR国際会議で,2008, 2012, 2016, 2018の4度の最優秀NDTアワードを受賞.また,米国AEWGからはFellow(2013), Kaiser Achievement Award(2017)を受賞のほか ,Gold Medal(2018,授与式は2019)を授与.