基調講演

10月26日(月) 9:45-10:25

Prof. Yuji Miyahara

半導体バイオセンサによる生体分子認識の検出/
Detection of biomolecules using semiconductor biosensors

東京医科歯科大学
生体材料工学研究所所長 教授
宮原 裕二氏

<Abstract>
講演者は半導体技術を用いたバイオセンサの研究を長年行ってきており,電界効果トランジスタやMEMSを用いた生体分子認識の検出やマイクロ流路デバイスなどの研究に携わってきた。本講演では半導体バイオセンサの研究経緯について触れたのち,バイオトランジスタの中で核酸の塩基配列を解析する技術,及び細胞膜表面のトランスポーターの機能を解析する技術を中心に紹介する。

<CV>
1985年3月 東京工業大学大学院 理工学研究科博士課程修了 工学博士。
1985年4月 (株)日立製作所 中央研究所入社。
1988年-1989年 スイス連邦工科大学(ETH)客員研究員。
1998年4月 日立製作所 中央研究所 バイオシステム研究センター副センター長
2002年 物質・材料研究機構 生体材料研究センター バイオエレクトロニクスグループ ディレクター
2008年4月-2010年8月 物質・材料研究機構 生体材料センター センター長
2010年9月-現在 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 教授
2014年4月-2020年3月 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 所長

10月26日(月) 15:40-16:30

Mr. Kentaro Yoshimura

熊本の伝統酒「赤酒」と「吟醸造り」
瑞鷹株式会社
取締役副社長
吉村 謙太郎氏

<Abstract>
熊本藩の御國酒「赤酒」の伝統的技法から,熊本民間の酒造研究所が生まれ,酒造をシステム化して温度管理を行う「吟醸造り」が生まれた歴史を語って頂きます。

<CV>
福岡第一経済大学 卒業,1998年 大和興産(株)入社,
2001年 同 退社, 同年 瑞鷹株式会社入社
2002年 独立行政法人酒類総合研究所入所

10月27日(火) 9:20-10:00

Prof. Yoshitaka Nakanishi

マイクロプラスチック研究におけるマイクロ・ナノシステム
熊本大学
大学院 先端科学研究部 教授
中西 義孝氏

<Abstract>
廃棄されたプラスチックは,紫外線や波力などにより微細化する。5mm以下のサイズをマイクロプラスチック(MP)と呼ぶが,µmサイズのMPも発生/廃棄されている。生物やヒトへの影響の未来予測においては,低環境負荷・高効率でありながらも的確な結果が得られる手法が求められる。本講演ではマイクロナノ加工・ファブリケーション技術を活用し,閉鎖・管理された研究室環境で実施している研究体制について紹介する。

<CV>
1998年03月 九州大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士後期課程 修了 博士(工学)
1998年04月 九州大学 工学部 知能機械工学科 助手
1999年04月 大分大学 工学部 生産システム工学科 講師
2002年04月 大分大学 工学部 福祉環境工学科 助教授
2004年04月 九州産業大学 工学部 バイオロボティクス学科 助教授
2005年12月 九州大学 デジタルメディシン・イニシアティブ デジタルオーガン部門 教授
2008年12月 熊本大学大学院 先端科学研究部 産業基盤部門 先端工学第三分野 教授(現職)

10月28日(水) 9:20-10:00

/Mr. Junji Adachi

Hyperfluorescence™; 有機ELディスプレイのゲームチェンジャー
Hyperfluorescence™; a game changing technology of OLED display

株式会社Kyulux
代表取締役社長
安達 淳治氏

<Abstract>
高い発光効率,きれいな発光色,レアメタルフリーの低コストを実現するHyperfluorescence™(HF)は,究極の有機EL発光技術です。Kyuluxは現在の発光技術である蛍光,りん光を全てHFに置き換え,有機ELの未来を創るスタートアップです。

<CV>
‘80年大阪大学基礎工学部機械工学科卒業。同年松下電工株式会社(当時)に入社。以後30年間先端技術研究開発,及びその事業化に従事。
’94~’96年米国MITに出向,客員研究員。帰国後,世界初のポータブル燃料電池,及び家庭用燃料電池コージェネシステムの開発(現在のエネファーム)を経て,シリコンバレイベンチャーとの有機太陽電池の共同開発プロジェクトのため’02年,2度目の渡米。帰国後’05年から(財)マイクロマシンセンターにおいてMEMS,バイオ,有機エレクトロニクスにまたがるナノ・バイオ異分野融合デバイスの国プロを立案・推進。‘10年パナソニック電工(当時)を退職,九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)にて第三世代の有機EL発光材料のTADFの開発に従事。’12年以降TADFの実用化を目指す産学官連携クラスターを構築し,’15年(株)Kyuluxを創設。代表取締役CTOに就任。’17年代表取締役社長に就任,現在に至る。

10月28日(水) 14:30-15:10

Prof. Toru Shimizu

マイクロプロセッサの研究開発から見たセンシング&コンピューティングへの期待
Expectations for sensing and computing from the perspective of microprocessor R&D

東洋大学
情報連携学部 教授
清水 徹氏

<Abstract>
1970年代に世に出たワークステーション,GUI (Graphical User Interface),LAN (Local Area Network)が,1980年代のソフトウェア&コンピュータアーキテクチャの激論を基に,1990年代以降,LSI高集積化技術というドライバを得て,PC,インターネット,通信・メディアのデジタル化,IoTを実現してきたこの30年は「マイクロプロセッサの時代」と言えるかもしれません。この講演では,マイクロプロセッサの技術開発の流れに基づいてセンシング&コンピューティングの可能性について考えてみたいと思います。

<CV>
1986年,東京大学大学院理学系研究科情報科学専門課程修了,理学博士。1986年から2014年まで,三菱電機・ルネサスにてマイクロプロセッサとSoCの研究開発に従事。その後,慶應義塾大学大学院理工学研究科特任教授を経て,2018年から現職。1997年にDRAM内蔵マイクロプロセッサの開発・製品化でR&D100賞を受賞,2014年に大容量メモリを集積したマルチコア・マイクロプロセッサの開発によりIEEE Fellow。